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糺の森 下鴨神社 [京都]

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糺の森 下鴨神社

 糺 (ただす)の森は夏涼しく秋は京都で最も遅く紅葉する。大学と下宿の中間にあったので、冷房のない下宿にまっすぐ帰らずここで時間を過ごすことがよくあった。
「署まで任意同行ねがいます」と木陰から飛び出してきた刑事達に取り囲まれたのはここだ。全共闘で活動していた後輩と革命の話をしたのもここ。「革命とは暴力であり、労働者や農民を組織して武器をもって戦わなければ勝ち目はないぞ」と話したが、彼らは労働者や農民はおろか学生の半数さえ組織できず、机やイスを積み上げてバリケードを築くのが精一杯。革命の夢は押し寄せる機動隊の前に崩れ去った。丸山や大塚の説く戦後民主主義に疑問を呈し、反近代主義と自己否定、権威(東大)解体を主張する論理は正しかったにしても、経済成長時代の一般学生の理解の範囲からは少し遠すぎたのだ。
 社会に出て随分経ってから「私は全共闘世代ですから・・・」と話す羽振りの良さそうな商社マンに会う機会があった。たぶん全共闘には加わらなかっただろう平凡な人だったが、革命を語り合ったあの後輩なら自分を「全共闘世代」などと歯の浮くような呼び方はしないだろう。「三田(さんだ)の方で農業をしていますよ」と語る屈託のない笑顔を見てから久しい。そう、青春の辞書には「失敗」などという言葉はないのだ。


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